発覚から手術まで③
今回は気持ちの話。
「転移など詳しく調べるためにpetCT撮りましょう」「卵巣卵管は摘出だと思っていてください」「婚約者の方は、」「将来妊娠の希望は、」
がんだと知らされたときはめちゃくちゃ落ち着いてて、前日になんとなく予想してたのもあってか、淡々と話を聞いてたような気がする!
むしろ先生に「大丈夫ですか?」って聞かれた。
大丈夫だと思うのか、がんって聞かされて大丈夫なわけないじゃん、でもわたしが大丈夫じゃなきゃ誰が、
初期のがんらしかった。
卵巣腫瘍からのがんへの転化は珍しいらしい。
良性って言ったじゃん。とれば大丈夫って言ったのに。少しでも可能性があることなら最初から伝えて欲しかった。
とりあえずpetCTの検査日、結果を聞く外来日を決めて病院を出て、まっさきに同居人に電話したところでやっぱり泣いてしまった。
昨日の夜からなんとなくわかってたから、と言ってくれたけど、病院に呼び出された次の日は同居人の実家で退院のお祝いをしてくれる予定だった。
予定は変わらずちょっとしたお祝いとわたしの病状報告の場になったけど、自分の子供の婚約者が、がんを抱えてるって、どんな気持ちなんだろう。
そのまま兄に電話、会社にも診断書を提出する予定があったからその足で会社に行って上司に報告。
上司はわたし的に第二のお母さん的な感じなのでボロ泣きした。わたしが。
「自分がどう受け入れていくかだよ」
って言われたのを覚えてる。
泣いても怒ってもがんがなくなるわけじゃないのはわかってたし、治療方針とかを真剣に考えて行かなきゃ前にも後ろにも進まないとは思ってた。
そんなこと言ったって、
仕事にまた復帰したって、
無理じゃんそんなの。
考えない日はないし、夜になると落ち込み度合いは深くて泣いちゃうし。
自分的にこれから、ってときにがんがわかったてめちゃくちゃ落ち込んだ。
まだ腫瘍内にがんがあったことしかわかってない。
よくなる可能性もあるし。逆もまた然り。
情報が少ない中で悩む時間はどんどん増えて、
このまま結婚したとして、転移してて、両側の卵巣、子宮摘出になったら?もしそうだったら最初からできないことをわかってて結婚って、許してもらえるんだろうか。同居人の将来の選択肢を潰してるんじゃないか。仕事は?続けられるの?お金だって貯まってないし、生きるには治しながら働きながらじゃないと。
そういえば行きたい旅行先いっぱいあったな、とか、あの友達に会いたいなとか、おじいちゃんに花嫁姿見せたいなとか。
もし、転移してて余命がすごい短かったら、わたし何もできずに。
すこしでもお腹に違和感を感じたときに病院に行っておけば、防げたんだろうな。
たらればにすごく苛まれて、一ヶ月間全く仕事に集中できなかったし(もともと真面目でもないけど)、いろんな人に申し訳なくなったり、良性だと思うといわれ続けていた結果に怒ったり、情緒が本当に安定しなかった。
もしかしたら片方の卵巣をとればあっさり治るかもと考えれる時間はめちゃくちゃ短くて、
「もしかしたら将来子供ができないかもしれない」
「結婚しないほうがいい」
「実家に許してもらえないかもしれない」
と言ってよく同居人を困らせたけれど、
そのたびに
「俺は将来2人で犬とか飼ってゆっくり暮らせればいいよ」
って言ってくれたことだけが救いだった。
めちゃ困らせてんな。
ちなみにpetCTの結果を聞きに行ったら
「転移は正直分からない」
「聞いていたと思うけど左側の卵巣卵管は摘出、あと単位の可能性のあるリンパ節と大網はとる」
「高齢の人だったら子宮と両方の卵巣とることも考えるけど、若いから可能性は残しておこう」
という感じ。
とりあえずとったあとは抗がん剤か、卵巣に限局(がんが卵巣のみだった場合)していたら、今後フォローの形になる。
らしい。
今は術後の段階なのでまだ今後のことはわかんない。
病院の先生だってわたしのことをガンにしたくてしたわけじゃないし、今、治療に向けていろいろ考えてくれているけど、このときは良性と言われ続けたこと、結果そうではなかったことに怒ってた気がする。
誰も悪くないのにね!